花粉症

☆花粉症とは
花粉が飛ぶ時期に、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりや目のかゆみ充血などの症状がでるアレルギー疾患です。2月から3月に症状がでるスギ花粉症が有名で、日本人の10人に2人近くが患者であると言われています。

☆花粉情報
花粉が飛ぶと症状がでますから、花粉の飛散状況を知ることは、その対策を立てる上で重要です。スギ花粉に関してはニュースや天気予報などから情報を得ることができるほか、福岡県では医師会のホームページから花粉の飛散状況を知ることができます。http://www.fukuoka.med.or.jp/kafun/kafun.htm

☆花粉対策
花粉と接触しなければ症状はでませんから、マスクやメガネなどの花粉関連グッズや、花粉の飛んでいる時期に布団を外に干さないなど家の中に花粉を持ち込まない心掛けは、科学的に検証されている訳ではありませんが、一定の効果があると考えられます。

☆お薬
飲み薬と点鼻・点眼など局所に使う薬があります。種類が多いので医師や薬剤師と相談して自分に合う薬を探されるのが良いでしょう。症状がでる前から服用する方が効きやすいので、花粉情報を参考にして早めに薬を飲みはじめるのが効果的ですが、症状の程度にもよりますのでご相談ください。

 

☆減感作療法
簡単に言うと、スギ花粉に体を慣らして反応しない体質にしようという治療法です。スギ花粉からアレルゲンを抽出して、少量から注射していき体を慣らしていく方法が実用化しています。病院に年単位で注射を打ちに通わないと効果がでにくいという欠点があり当院では実施していませんが、興味のある方は実施している病院をご紹介します。

慢性呼吸不全―いつも息切れを感じている方へ

☆慢性呼吸不全は酸素が足りない状態です。
呼吸器の病気が進行すると、十分に酸素が取り込めなくなる場合があります。常に酸素が足りず、いつも息苦しさを感じます。この状態を慢性呼吸不全と呼びます。

☆慢性呼吸不全の原因
慢性呼吸不全の原因として最も多いのは肺気腫(COPD)で、次いで結核後遺症、肺線維症、気管支拡張症、肺がん術後、側彎症などが原因となります。これらの病気が進行すると慢性呼吸不全になり酸素が必要なります。こういった病気の方は、禁煙はもちろんのこと、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種、過労を避けるなどの一般的な注意に加えて、専門の先生に定期的に診てもらうことが大切です。

☆急性増悪
慢性呼吸不全の患者さんが経過中に、咳や痰が増えいつもより呼吸が苦しくなることがあります。風邪などをきっかけに気道感染を起こすことが原因となる場合が多いのですが、これを急性増悪と呼びます。通常よりたくさんの酸素が必要となりますし、入院治療が必要な場合もあります。

☆在宅酸素療法について
酸素が足りないわけですから、酸素吸入が大きな助けとなります。酸素療法には、慢性呼吸不全の患者さんの日常生活を楽にし、寿命を延ばし、急性増悪の回数を減らすなど大きな効果があります。そこで、ご自宅で酸素を吸入できるようにしたのが在宅酸素療法です。電気で酸素を作る酸素濃縮器と外出用の酸素ボンベの組み合わせが一般的ですが、液体酸素を使う方法もあります。

☆非侵襲的陽圧人工換気療法(NPPV)
酸素吸入だけでは足りず、機械的に呼吸を補助することが必要な患者さんもおられます。顔に密着させたマスクを通して、空気や酸素を押し込むといった感じで呼吸を補助します。眠ると呼吸が弱くなる患者さんが、夜間にこの療法で呼吸を補助すると楽になります。

☆医療費の助成制度
在宅酸素療法の医療費は月に約8万円です。しかし、健康保険の適応となっており、お薬代などを含めても、月に3割負担で3万円弱、1割負担で1万円弱となります。しかし、重症の患者さんには、身体障害者福祉法や特定疾患(難病)克服研究事業などの医療費の助成制度があるのでご安心ください。

喫煙と疾病 —- たばこを吸っている方へ

☆たばこは、いろいろな病気を引き起こします。
たばこは、肺癌をはじめとする悪性腫瘍、肺気腫をはじめとする呼吸器疾患、心筋梗塞などの循環器疾患の危険因子となり、また、妊娠中の喫煙は流産などの危険を高め母子健康に悪影響を与えます。英国で約3万人のお医者さんを対象に50年間にわたって調査が行われ、たばこを吸う方は吸わない方に比べて10年早く死亡するという結果がでています。

☆たばこの煙には発癌物質が含まれ、いろいろな癌の原因になります。
肺癌で死亡する危険が喫煙者は非喫煙者に比べて男性で4倍から22倍、女性で2倍から12倍高いと言われています。喫煙者は、肺癌以外に食道癌、喉頭癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、腎癌などになる危険も高まります。これは、たばこの煙に含まれる発癌物質が遺伝子に傷を入れ細胞を癌化させるためです。すなわち、たばこを吸うたびに、癌になるくじを引いているようなものです。

☆息切れを感じたら、肺気腫のはじまりかもしれません。
肺気腫は、たばこの煙による刺激で気管支・肺に慢性の炎症がおき、徐々に肺が障害されていく病気です。階段や坂道を登るときの息切れが最初の症状ですが、進行すると酸素吸入が必要となります。肺気腫になりやすい人なりにくい人、個人差がありますが、基本的には煙草を吸われた分量に比例して病気が進行します。

☆たばこは、血管を収縮させ心筋梗塞の原因となります。
たばこには、血管を収縮させる作用があり、これが循環器疾患の原因となります。喫煙者では非喫煙者に比べ心筋梗塞、狭心症になる危険が2から4倍、末梢血管疾患になる危険が10倍高いといわれています。胃潰瘍、くも膜下出血、動脈瘤の危険も高くなります。糖尿病や高血圧などの血管の障害を伴う病気の患者さんの場合、これらの病気になる危険はさらに高まります。

☆周囲でたばこを吸われても健康を害します。
さらに、たばこは喫煙者だけが病気になるわけではありません。家庭や職場で喫煙者と一緒に生活している受動喫煙者も肺癌や心筋梗塞になる危険が2から3割増すといわれています。

☆いま禁煙すれば間に合います。
しかしながら、タバコを止めれば、早ければ早いほど良いのですが、これらの病気になる可能性は減ります。最初に述べた英国での調査では、40代前半までにたばこをやめた方は、死亡率がたばこを吸わない方と変わりませんし、50代以降でたばこをやめた方も吸い続けた方よりも死亡率が低下します。病気別にみても、50歳までに禁煙すれば、肺癌になる危険は半分になるとも言われていますし、肺気腫もその進行が遅くなり、心筋梗塞の危険も減ります。これらの病気は、発症してしまうと根本的な治療法がありません。ですから、発病する前にたばこを止めることが大事です。たばこは長い習慣で、これを止めることには大きな抵抗を感じられると思います。従って、禁煙をするためには、まず、たばこを止めることを決断することが大切です。たばこを止めようと決めても、なかなか止められない場合は、たばこを止めた時のいらいらを抑える薬があり、保険診療ができますので是非ご相談ください。

新しい禁煙治療薬

禁煙治療薬は、これまでニコチンパッチとガムの2種類しかありませんでした。今回、新たにチャンピックスという禁煙治療の飲み薬が発売されました。すでに海外で使用されている薬で、これまでの薬以上に禁煙の成功率が高く、比較的楽に禁煙を成功させることができるといわれています。禁煙治療をおこなっている医療施設で保険診療ができますので、禁煙が難しいと感じられていた方も一度試してみる価値があります。是非ご相談ください。

領収書をとっておきましょう。

医療費が高額になった場合に経済的にどうしようかと不安に思われる方も多いと思います。そのような場合、健康保険の高額療養費制度や税金の医療費控除の制度があり、経済的な負担を減らすことができます。これらの制度を利用する場合、領収書が大切な資料になりますが、一般的に領収書の再発行はできません。ですから医療機関を受診された場合、領収書は絶対に捨てないでとっておきましょう!

肺気腫 ( COPD ) —- 息切れする方へ

☆階段や坂道で息切れするのは肺気腫の最初の症状なのかもしれません
肺気腫とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、おおむね同じ病気で、階段や坂道での息切れが最初の症状です。たばこが原因で、肺が徐々に障害されていく慢性の進行性の病気です。風邪などをきっかけに、咳、痰、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)や呼吸困難などの症状がひどくなり、病院を受診してみつかる場合もあります。たばこを吸い続けると、進行してじっとしていても呼吸困難をきたすようになり、酸素吸入が日常的に必要になる場合もあります。

☆肺気腫では気管支が狭くなり息がしにくくなります。
肺気腫では、肺が障害され気管支が脆弱になります。その気管支の閉塞をみる肺機能検査や肺の障害の有無を画像としてみることができるCT検査で診断されます。喘息と症状が似ていますが、発作ではなく日常的に動いた後の息切れではじまり、たばこを吸われる高齢者に多いのが特徴です。

☆禁煙が進行をおさえる唯一の方法です。
たばこが原因ですので、禁煙が進行をおさえる唯一の方法です。息を思い切り吸い込んで、一気に吐き出した時最初の1秒間に吐き出される量を一秒量と呼びますが、これが肺気腫の診断・重症度をみる指標になります。一秒量は20代で3000から4000mlありますが、年齢を重ねると徐々に減っていきます。たばこを吸わない健康な方で1年間に約30ml、たばこを吸う方で約60 ml減っていくといわれています。この差が10年単位で考えると大きな差となり、年を重ねた時の息切れの有無につながります。禁煙すれば、すでに失った部分を取り返すことはできませんが、それ以上悪くなることを防ぐことができます。

☆息切れを改善するお薬があります。
障害された肺をもとに戻す薬はありませんが、気管支を広げて呼吸を楽にする薬はあります。喘息で使われる気管支拡張剤や吸入ステロイドが効果がります。また、重症のケースでは、酸素療法が動作を楽にし、また寿命を延ばす効果が知られていますので、是非ご相談ください。

気管支喘息 —- 咳で目が覚める方へ

☆咳や息苦しさで目が覚めるのは、喘息のはじまりかもしれません。
気管支喘息は、咳、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)や呼吸困難などの症状が発作性に起きる病気です。調子の良い時は症状がありませんが、風邪などをきっかけに発作が起きます。最初は、咳ではじまり重症化すると日常的に発作がでるようになり治りにくくなります。発作は、しばしば夜中から明け方にかけておき、昼間は症状がない場合もありますが、ほうっておくと、大きな発作を起こし命にかかわることもあります。

☆喘息では気管支が狭くなり息がしにくくなります。
喘息発作は、気管支が腫れたり収縮したりして狭くなることで空気が通りにくくなることで起きます。ですから、喘息の検査には、気管支が狭くなっていることを反映する肺機能検査、気管支の炎症を反映する痰の検査や、アレルギー検査があります。また、咳・喘鳴・呼吸困難などの症状は喘息以外の病気でも起きますので、胸のレントゲン写真や、一般血液検査で他の病気でないことを確認する必要もあります。

☆吸入ステロイドは、副作用の少ない喘息の特効薬です。
気管支が狭くなる原因は、慢性炎症であると考えられています。理論的には、炎症の原因となるダニなどのアレルゲンを除去すれば喘息が起きなくなるはずです。実際、小児ではある程度の効果がありますが、成人ではほとんど効果がありません。これは、アレルゲンの除去は難しい上に、成人喘息にはアレルギー以外の要因もあるからだと考えられています。ですからステロイド呼ばれる炎症を抑える効果の高い薬が使われます。この薬は、副腎皮質ホルモンと呼ばれるホルモンの仲間で、内服や注射で長期に使うと大きな副作用を起こします。しかしながら、吸入で使うと全身にはほとんど吸収されないので、軽い副作用しかありません。副作用が少なく効果が高いので、喘息治療の中心的な役割を果たしています。発作の場合、気管支周囲の筋肉が収縮することで気管支が狭くなり急に呼吸が苦しくなります。すぐ効く薬として、気管支周囲の筋肉の緊張をとる気管支拡張剤があり、吸入ステロイドと併せて使用するのが標準的な治療です。

☆喘息はほうっておくと難治化することがあります。
患者さんの中には、副作用や薬がくせになると心配されて、薬を使うことをためらう方もおられます。しかしながら、喘息もまた、くせになるということを知っておくべきでしょう。発作を放置すると、気管支周囲の筋肉が太くなり、腫れていた気管支が厚いまま固まり元に戻らなくなります。そうすると、普段から息切れするようになり、また、ちょっとしたことで発作が起きるようになって難治化します。早めに治療することが、喘息の重症化を予防し結局は薬を使う量も少なくて済むことになります。ですから、繰り返す咳、喘鳴、呼吸困難などの症状に心当たりのある方は是非ご相談ください。