症状を「コントロール」するとは具体的にどのようなことなのでしょうか。

ANA国内線ラウンジ誌「INOVATIVE VOICE」のインタビューでの4番目の質問です。

ぜんそくの薬を服用したり、原因抗原を避けたり、タバコを避けたり、風邪・過労・ストレスなどの増悪要因を避けたりすることでぜんそく症状がでないようにすることを、ぜんそくをコントロールするといいます。ぜんそくがでないように予防する薬をコントローラーと呼びますが、近年、有効性・安全性ともに高い薬剤が複数開発されました。その結果、大部分の患者さんは、コントローラーを毎日服用することや環境を調整することでぜんそくをコントロールすることができます。
コントローラーとして最も重要な薬剤はステロイドの吸入薬です。体内の空気の通り道である気道にアレルギー性の炎症が起きると、気道内部の粘膜は敏感になります。一度敏感になってしまった粘膜は、ホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激にも反応するようになり、ぜんそく症状の原因となります。ステロイドには強力な抗炎症作用があり、気道の炎症を抑えることで喘息症状を改善します。しかも、吸入という形で肺に薬剤が直接届くため、ステロイドによる全身的な副作用がほとんどありません。

他の質問へのリンク
(1)ぜんそくの症状とは、どのようなものなのでしょうか。
(2)発症するのは子供が多いイメージですが、大人でも発症するのでしょうか。
(3)ぜんそくは現代人に増えている疾患と言われますが、その要因は何でしょうか。
(4)症状を「コントロール」するとは具体的にどのようなことなのでしょうか。
(5)ぜんそくの検査、診断はどのように行われるのでしょうか。また、どのような症状があった場合、病院に行くのが良いのでしょうか。
(6)ぜんそくの治療のゴールと言うのはどのようなものになるのでしょうか。

医療法人上川路クリニック 院長 上川路信博
呼吸器内科・アレルギー科・内科
福岡市城南区茶山1-1-12