豚インフルエンザについてーその予防と治療

平成21年4月28日改訂
マスコミでブタインフルエンザの発生について大きく報道されていますので、ここでも簡単に説明したいと思います。これまでにも、ブタインフルエンザがヒトへ感染した事例の報告はありますが、その多くは感染した豚と濃厚に接触した限られた事例で、ヒトからヒトへ感染することはほとんどありませんでした。ところが、今回、世界の各地でブタインフルエンザの患者さんが発生しており、 特にメキシコでは2000人近いブタインフルエンザの患者さんが発生しています。このことから、WHOも昨日ブタインフルエンザがヒトからヒトへ感染するようになり、世界的に流行に発展する危険があるとして警報レベルをフェーズ3から4にあげました。これを受けて厚労省も、ブタインフルエンザを新型インフルエンザとして取り扱うと発表しています。しかしながら、現時点では、このブタインフルエンザがここ数年心配されていたような、いわゆるパンデミック、と呼ばれる世界的な大流行に発展するかどうかはわかりませんし、日本での発生もありませんからあまりナーバスになる必要はないと思います。
これまでの情報では、ブタインフルエンザも従来のインフルエンザと同様の症状とされていますし、タミフルやリレンザが有効とされています。従来のインフルエンザの予防は、マスク・うがい・手洗い、ワクチン、タミフル・リレンザの予防投薬などですが、これらのうち、ワクチン以外は現在も使えるわけです。ですから、メキシコや米国、カナダなどから帰国された方やその周囲の方で、発熱などのインフルエンザ様の症状があれば、あるいはなくても、早めに医療機関に相談されると良いと思います。なお、医療機関を受診される場合は、先に電話で相談されてから受診していただくと現場の混乱を避けることができますし、適切に検査・治療してもらえます。該当する方は、是非電話で相談されてからの受診をお勧めします。

さらに詳しく知りたい方は、下記のサイトを参照されると良いと思います。
福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/