新型インフルエンザの予防と治療 その2

国内でも新型インフルエンザの発症が確認されましたので、予防と治療について簡単にまとめてみたいと思います。
予防の基本は、正確な情報収集とできるだけウィルスを吸い込まないことです。情報収集にはニュース等に注意する他に、身近なところでインフルエンザが流行していないかにも注意すると良いと思います。ウィルスは、患者さんの咳で飛んだ飛沫を吸い込むか、患者さんの咳・鼻水・便などに直接あるいは間接的に触れた手を介して口などから体の中に入り込みます。ですから、人ごみにでることを控えたり、人ごみに出る場合はマスクを着用したり、手洗いうがいを徹底するなどの予防策が有効です。飛沫感染はインフルエンザ様症状(熱、くしゃみ、咳、鼻水、悪寒、筋肉痛など)がある人から1m以内で接触した場合に危険が大きいので、症状のなる人から1m以上の離れることも有効な予防策です。また、咳などの症状がある場合は、他人にうつさないために咳エチケットも大切です。咳エチケットとは、咳くしゃみの際はティッシュ等で口と鼻を被い他の人から顔をそらすこと、使ったティッシュは直ちにゴミ箱に捨てること、咳やくしゃみをおさえた手は直ちに洗うこと、咳などの症状がある方はできるだけ場合はマスクを着用することです。咳エチケットは、患者さんから放出されるウィルスの量を減らすことで感染の広がりを予防する効果があります。感染症一般に言えることですが、吸い込むウィルスの量が少なければ軽症ですむ傾向がありますから、以上のような対策を心掛けていれば新型インフルエンザに感染したとしても重症化の予防効果が期待できます。完璧をでなくても良いですので上述したような対策を心がけてください。
治療に関しては、従来の季節性インフルエンザ同様にタミフルやリレンザが有効です。これらの薬は発症後48時間以内に服薬すれば効果があると言われていますが、実際には早く服薬すればするほど高い効果が期待できます。咳や発熱などの症状がでたら早めに医療機関を受診されると良いと思います。ただし、米国・メキシコ・カナダ・神戸などの流行地から帰国後7日以内に発症された方とその周囲の方は、発熱外来の受診が勧められています。直接病院に行かれても先に発熱相談センターに相談するように言われますので、該当される方は発熱相談センターに電話で相談されてから受診されてください。これは、病院で新型インフルエンザがうつる可能性を予防するための措置ですのでご協力をお願いします。
幸いなことに、これまでの報告では今回の新型インフルエンザの病原性は従来の季節性インフルエンザと大きく違いませんから、あまりパニックになる必要はなさそうです。

福岡市の発熱相談センターは下記を参照してください。
http://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokenyobo/life/kansen/pandemicflu/pflu.html
都道府県別の発熱相談センターはこちらを参照ください。http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-02.html
また、さらに新型インフルエンザについて詳しく知りたい方は、下記のサイトを参照されると良いと思います。
福岡県感染症情(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/swineflu/index.html